第3回就学先相談会_2025年9月
第3回 スペシャルニーズのあるお子様向け 就学先情報交換会
NuLAND®が社会貢献活動の一環として続けてきた「就学前相談会」。
“わが子に合った学校を見つけたい”――そんな共通の思いを胸に、毎回多くの保護者の方々が参加し、温かい交流の場として好評を博してきました。
そして今回、第3回目となる会は参加対象をさらに広げ「就学先情報交換会」と題し9月17日日(水)、代官山で開催されました。
この会は、「特別な支援を必要とするお子様とご家族に、より多くの選択肢と出会いを届けたい」という想いから始まりました。
就学の時期を迎えると、多くのご家庭が、
「普通級か支援級か」「支援学級か支援学校か」
「普通級の中でサポートを受けながら通いたい」
「今通っている学校で、このまま進んでいいのか迷っている」
といった悩みを抱えます。
そうしたリアルな不安や疑問を安心して話し合える場として、“スペシャルニーズのあるお子様を育てる保護者同士が、情報を共有し、つながり合える時間”を目指しています。
「保護者の声を、社会につなぐ」―行政・教育・福祉、3つの現場からのメッセージ。
今回の相談会には、行政・教育・福祉の3つの現場で活動する専門家が参加し、それぞれの立場から、就学相談の仕組みや現場の課題、そして保護者が実際に感じる不安に寄り添う形で、多角的な視点から話が展開されました。
行政の視点:たぞえ麻友さん(元目黒区議会議員)
「“就学先は行政が決める”と思われがちですが、実は保護者が選ぶ権利があります。」
長年、教育・福祉政策に携わってきたたぞえさん。
行政手続きの裏側や相談の流れを丁寧に解説し、保護者の立場を力強く後押ししました。
「支援学校・支援級・普通級、それぞれに良さがあります。
大切なのは、“どんな環境ならお子さんが笑顔で通えるか”を見極めることです。」
会場の保護者たちは、真剣にメモを取りながら耳を傾けていました。
教育の視点:ながいりえさん・仮名(元小学校教諭/現非常勤講師)
現場をよく知るりえさんは、支援級・支援学校・普通級での実体験をもとに、先生たちの想いや苦労も交えて語りました。
「支援級には素敵な先生もたくさんいます。でも、制度の壁や経験の差で、サポートが十分に届かないこともあるんです。また、普通級や支援級では“配慮の在り方”が学校によって違うのが現実です。一方、支援学校は、特性を理解している先生が多く、少人数で丁寧に関わることができます。あと、皆さんにお伝えしたいのは、就学は“ゴール”ではなく“スタート”だということ。子どもの成長に合わせて、学びの環境を変えていくことも自然なことです。移籍も可能なので、子どもの“今”を大切にする選択をしてください」。
福祉の視点:前田さん(東京都目黒区福祉事業所 相談支援員)
「“いい施設”かどうかを決めるのは、子どもの表情です。」
現場の空気を大切にする前田さんは、施設見学のポイントや、放課後デイの選び方などを実例を交えて紹介しました。
「見学に行ったとき、子どもが先生に自然に話しかけていたら、それが一番のサイン。
そして、家に帰って“また行きたい”って言ってくれるなら、それは正解です。」
登壇者と参加者による、少人数グループでの“リアルな声”の共有。
後半のグループセッションでは、登壇者が各テーブルに入り、保護者同士で悩みや体験を分かち合いました。「普通級で頑張るか、支援級に移るか」「デイサービスの見学で見るべきポイント」「先生への伝え方のコツ」など、どちらのテーブルでも活発な意見交換が行われ、時には笑い声も混じる温かな空気に包まれました。
今回、修学相談会に初めて参加したという熊田さん(仮名)は、「多角的な視点から、いろいろな教育現場のお話を聞けたり、支援学校での現場のお話も聞けて大変参考になりました」とのこと。
小学校の支援学級に通うお子さんを持つ澤田さん(仮名)は、 「教育現場の方から直接お話を聞いて、とりあえず今の自分の選択に自信を持つことができました。皆さん、親身になって共感してくださり、自分の気持ちや状況を素直に言葉にすることができました」と話してくれました。
前回の相談会に続き、今回が2度目の参加だったという参加者も。「前回は先生方のお話を聞くというスタイルでしたが、今回は少人数でのグループトークだったので、直接先生方に質問できてとてもよかったです」という声も聞かれました。
また、矢島さん(仮名)は、「とても有意義な時間でした。我が子にとって、就学先での支援員の方の必要性を改めて考えるきっかけをいただきました。福祉は待っているだけではなく、能動的に動かなくてはならないということも再確認できました。ハンディキャップのある子どもを育てる親として、常に大切にしておきたい言葉をたくさんいただきました」と語ってくれました。参加者たちは、この時間で得たたくさんの気づきや学びを、それぞれの明日へと持ち帰りました。

子どもの未来は、選択肢の数だけ広がる。
今回のイベントで印象的だったのは、どの登壇者も「どちらが正しい」ではなく、「どれも間違いではない」と語っていたことでした。
子どもの成長に合わせて、学びの環境をその都度見直し、柔軟に変えていく——。
そんな視点からの言葉には、会場の多くの保護者が深くうなずいていました。
話題は進路や制度にとどまらず、
「その子がその子らしく学ぶこと」を中心に置いた対話が続きました。
“ランドセルの形がひとつじゃないように、
子どもの学びの形もひとつじゃない。”
NuLAND®がこの活動を通じて伝えたいのは、そんなシンプルで力強い想いです。
NuLAND®はこれからも、「学びの多様性を支える社会」をめざし、保護者・学校・地域とつながる場づくりを続けていきます。
~参加者からのアンケート結果~
今回も参加者全員満足のお声をいただきました。参加者それぞれの視点で参考になった点、同じ境遇の方と交流できてよかったなど、評価のコメントを多くお寄せいただきました。
<満足度>
参加者の満足度
満足・大変満足100%
<イベントに参加した感想>
・同じ境遇の親御さんと話せて良かった。
・毎回ためになる内容のお話を聴く機会をくださり、ありがとうございます。
<参考になったポイント・気づき>
・議員さんからの現実的なお話も聞けてとても参考になりました。ありがとうございました。
・色々な教育現場のお話を聞けたり、支援学校に通う予定なのですが、支援学校のお話も詳しく伺えて大変ためになりました。
・どの就学先でもメリットがあるので、子どもにあったところに入れてあげるのが大事だと感じました。
過去のレポートはこちらから
第2回就学先相談会_2025年1月
第1回就学先相談会_2023年10月
