通学指定カバンをNuLAND®に変えた、LCA国際小学校の保護者たちの熱意。
2026年4月より、神奈川県相模原市にあるLCA国際小学校の指定通学カバンとして採用されることになったNuLAND®のランドセル。学校の指定通学カバンが変更されることになった背景には、小学校に通う子どもの保護者たちの願いがありました。LCA国際小学校に通うお子さんを持つ山田さんと中島さん、問題意識を持ち実際に行動を起こしたママたちの情熱に心を動かされたNuLAND®販売会社RANAOS代表の岡本さんに、今回の経緯について話を聞きました。
新しい通学鞄を小学校に提案したのは保護者でした。(左:山田さん、右:中島さん)
「子どもの通学負担を減らしてあげたい!」行動を起こしたそのきっかけとは?
―――NuLAND®を知ったきっかけや経緯を教えてください。
山田さん:子どもの小学校入学時にラン活をして知りました。色々なメーカーのものを比較検討したのですが、私が子どものランドセルを選ぶ際に重視したのが、軽さ、デザイン性、子どもが自分で荷物の準備をしやすいこと、ランドセルの中身のすべてが見える化しやすいことでした。そのすべてをクリアしたのが、NuLAND®のランドセルでした。また、リサイクルポリエステル生地を使用するなど、企業としてサステナビリティに積極的に取り組んでいることにも好感を持ちました。今のLCA国際小学校に入学したので、ランドセルを購入することはなかったのですが、もし買うとしたらNuLAND®を選んでいたと思います。
ーーー新たな通学カバンの提案を行おうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
山田さん:(通学環境が)バス通学から電車通学に変わったことです。学校指定の教材やテキストを入れた通学カバンがとにかく重くて。小学校低学年の子どもたちが、この重たい荷物を持って毎日、通学のために電車にのって長距離を移動するのがあまりにも不便だと思ったんです。NuLAND®の軽さを知っていたので、少しでも軽く、使いやすいものに改善できないかと考えたのがきっかけでした。
中島さん:山田さんにNuLAND®のことを教えてもらって、2024年3月に予約をして山田さんと一緒にサロンを訪ねました。そこで初めてNuLAND®のランドセルに触れて、まずはその軽さに驚きました。子ども達にとってよりベターな選択肢があるのだから、それを選ばない理由がないと思いました。「子どもたちを幸せにする学校」、それがLCA国際小学校の理念なので、提案したら取り入れてもらえるのではないかと思ったのです。
岡本さん:その翌日、改めてNuLAND®のカスタマーサポートにお二人からお問い合わせを頂きました。実はこういうことを考えているのですが、小学校のエンボスを入れるなどの特注は可能なのか、最小ロット数の確認なども含めて、ご相談を頂きました。過去に私立の学校から問い合わせを頂いたことはあったのですが、学校に通う保護者の方からこのような問い合わせを頂いたのは初めてだったので驚きました。自分も子供のことを想って開発をスタートしていますので同じ想いの保護者がいてくださり、とても嬉しかったですね。学校ではなく、保護者が動いてくださったこと。そして保護者の提案を学校が受け入れ、採用する、というのは本当に光栄で夢のようなことです。学校側でも改革に取り組んでいただけたら、実現したら本当に新しい扉をあけることができると思いました。
完成したLCA国際小学校オリジナルNuLAND®
ママたちの熱意が学校を動かし、スクールグッズサポーターというプロジェクトの立ち上げへ。
―――学校の指定ランドセルとしてNuLAND®が採用されるまでの筋道を教えてください。
山田さん:まずは、他のお母さんたちがどう思っているんだろうというのを探ってみました。子どものお誕生日会で小さなコミュニティで集まる機会があったので、そのタイミングでレンタルサービスを利用して、NuLAND®のランドセルを借りました。誕生日会で、実際に子どもたちにもランドセルを背負ってもらって意見を聞いて、お母さんたちにも見てもらって。その場にいた皆の反応を見て手応えを感じ、これならばその他のお母さんたちの賛同を得られるのではないかと自信を持ちました。
中島さん:2024年4月に改めて、NuLAND®のサロンに伺いました。その際に、パワポで作った企画書をお持ちしたんです。その際に、クリアしなくてはならない学校指定の条件やオリジナル教材が入るサイズでアレンジすることが可能なのかなど、条件面に関しての確認をさせていただきました。そこでまとめた内容を持って、GW明けに学校側にプレゼンを申し込みました。学園長と主要の教職員の方々にお声がけをして、集まって頂きました。実際に見て、触っていただくのが一番説得力があると思ったので、NuLAND®のランドセルを2泊3日でお借りして、パワーポイントの資料を見せながらプレゼンをしたんです。結果、翌年の2月に学校側から許可が出て、2026年4月より新ランドセルが導入されることになりました。
山田さん:保護者主体でスクールグッズサポーターというプロジェクトを立ち上げました。興味のある方は是非参加してくださいと保護者にお声がけをして、集まったプロジェクトメンバーは7名でした。中には卒業を目前に控えた小学校6年生のお子さんを持つ保護者の方も。自分たちの子どもが新しいランドセルを背負える訳ではないけれど、学校への恩返しとして、今後の子どものために何かしたい、という気持ちで参加してくださったそうです。
そしてNuLAND®の採用決定へ。生徒さんが「わ!軽い!」とびっくりして思わず声を上げたことも決め手に。
中島さん:プロジェクトメンバーで集まって、既存のバッグの課題と、どこをどう変えたらいいのかを話し合いました。いくつかのメーカーからランドセルをレンタルして、実際にバッグの重さを測ったのですが、学校指定のものが一番重かったんです。すごく丈夫で形は崩れにくいのが良い点なのですが、一方で重くて硬い。。卒業間際のプロジェクトメンバーに通学カバンを提供してもらい、カバンを解体して構造を確かめ、重さの原因を探るという作業もしました。
山田さん:プロジェクトチームで集まり、改めて他のメーカーも並べて検討を重ねました。体格の異なる5年生と1年生の子に参加してもらい、その日学校に持ってきた教材を全てランドセルに入れて背負ってもらった上で、身体へのフィットや背負いやすさなど、子どもたちから感想を聞きました。5年生になると学校終わりでそのまま塾に行く子も多いので、学校のテキスト以外に塾の参考書があって、特に荷物が重たくなるんです。5年生の男の子がNuLAND®のランドセルを背負った時に、「わ、軽い!」とびっくりして思わず声を上げたことも決め手になりました。
それぞれに共通していたのは、子供の安心安全な通学環境
岡本さん:お子さんのその反応が何よりも嬉しいです。NuLAND®のランドセルは、背負った時に実際の重さよりも軽く感じるような仕様にこだわって開発しました。柔らかく締め付け感がないので、重たい荷物を持っても苦しく感じないように作られています。子供は体幹が弱いので、背中全体で背負うためにある程度クッションの厚みを作り、同時にランドセルの背中に当たる接着面の真ん中は抜いて通気性をよくするなどの工夫を凝らしたのです。

両サイドのクッションを厚め、センターは低く設計
―――学校指定のランドセルを作りにあたり、こだわったポイントは?
岡本さん:どのモデルがよいか、またどのような仕様変更がいいか、工場と何度もやりとりをして検討を重ねました。学校指定のオリジナル教材の出し入れがスムーズにできるように、サイズはLの規格で、仕様はMサイズのものに着地しました。サンプルは、最初のダミーサンプルや部分的なものの確認なども含めると5回ぐらい出しました。特にエンブレムは学校のシンボルですから、どのような印字方法やプリントができるかを何度も検討しました。今は技術が進歩していますから、想像以上にいろいろな手法があり、驚きました。あとはデザイン、シルエットですね。今回は通常のNuLAND®のランドセルとサイズを変えていますのでボディとフラップのバランスが従来品とは異なります。学校側に最終サンプル提出前に、こちら側でもボディにあわせて可愛くみえるフラップの長さや留め具位置などは修正依頼し工場に作りなおしてもらいました。やはり見た目、デザインも大事です!NuLAND®は一つの特徴は「デザインも機能性もあきらめない。両方の実現!」ですので、そこもこだわりました。

LCA国際小学校の象徴であるエンブレム
エンブレム立体エンボス加工で鮮やかに再現
―――試作品サンプルをご覧になって、いかがでしょうか?
中島さん:スクールエンブレムがかっこいいですね。当初、刺繍やワッペンでエンブレムを表現する案もありましたが、小さな文字も入った複雑なロゴを刻印で表現できてよかった!公共交通機関や街中で、誰が見てもLCAの子だということが分かるようにしたいという学園長の要望もクリアしています。
山田さん:ランドセルっぽい少しレトロなムードもあっていいですね。LCAのスクールカラーは緑なので、まさにイメージにぴったりです。うちはカバンの底にプリント類がくしゃくしゃになって入っていたりすることがあるので、底が上がるのがいいですね。以前のカバンはサイドポケットがなくて、定期入れがぶら下がっていたのが気になっていたのですが、その悩みも解消されました。
岡本さん:保護者の方や子どもたちのランドセルに対しての特別な思いは尊重したいと考えて、NuLAND®は機能性も充実させつつも従来のランドセルの形も大切にしています。NuLAND®のランドセルは、全部で8つのポケットを付けています。革のランドセルだと細工や工程を増やすとその分重たくなってしまうので、どうしてもデザインや機能に制限が出てきてしまうんですよね。軽い素材だからこそ、デザインの自由度が広がったんです。また、毎年新しい素材が出てくるので、よりユニバーサルなデザインに進化させることができます。生地も、デビュー当時よりもさらに軽くて丈夫な生地にアップデートしています。
中島さん:常に進化しているんですね。素晴らしいことだと思います。これが最初から当たり前だったら、子供たちも楽だったと思います……。ただ、教育現場が社会の変化のスピードについてくるのは実際に大変だと思うんです。保護者は社会と関わっているので、新しい視点や情報を学校に共有することが、我々保護者の役割だと思います。
岡本さん:カバンは軽くなったので教材も軽くなると良いですけどね。例えば、テキストは学校に置いて、宿題はタブレットで配信にするとか。NuLAND®は、子どもたちの通学の荷物が軽くなり安全で健全な登校ができることを願って、荷物を軽くするための「ラン軽プロジェクト」も推進しているんです。

学校指定教材が入るようオリジナルサイズに企画変更したNuLAND®
保護者が声を上げて行動を起こせば、変えることができる!「今回の新ランドセルの導入は大きな一歩だったと思います。」
―――今回のプロジェクトが実現しての感想を聞かせてください。
山田さん:時代はどんどん変わるので、教育の現場やツールもアップデートするべきだと思うんです。保護者と学校が一緒に情報を共有していくということは大切ですね。今回の新ランドセルの導入に賛同してもらえたことは、私たち保護者にとっても大きな学びになりました。
中島さん:保護者が声を上げて行動を起こせば、変えることができるんだということを身をもって体験しました。今回の新ランドセルの導入は大きな一歩だったと思います。子どもたちの学校生活がより素晴らしいものになるように、学校と保護者とがより良い連携を図っていきたいと感じました。
岡本さん:子どのために何かをしたいと思うのは保護者も学校側も同じですが、既存のシステムを変更することは本当に難しく時間がかかるのが実情かと思います。だからこそLCA国際小学校の新ランドセル導入までのスピード感には心から感動しました。私がNuLAND®を開発販売したことも早いと言われてきましたが、私の場合は、自分自身が決めて動けばよかったですが、学校を動かすということは本当に大変なことです。組織を動かす保護者の皆様の熱意と、行動力が成し遂げた一つの偉業だと感じています。私はいつも「NuLAND®は新しい価値観や選択肢を提案していきたい、その一つである」とお伝えしています。今回のNuLAND®の開発の件が、これから学校側と保護者様が一緒になり、子ども達の未来のためにより良い教育に取り組まれていかれる一つの事例、サクセスストーリーになれば幸いです。
LCA国際小学校について

LCA国際小学校は神奈川県相模原市に所在する文部科学省から認可を受けた私立小学校でインターナショナルスクールとは大きな違いがあります。「日本人」としての教育をしっかり行った上で、英語を使いこなし国際社会で活躍できる人材を育てるバイリンガルスクールです。また学力だけでなく、毎日学校生活の中で考え感じる力やコミュニケーション力を養い、ひとりひとりの個性を活かした教育を行っています。
※教育理念とLCAの特長について https://elementary.lca.ed.jp/about/philosophy

独自のカリキュラムでコミュニケーション力を養う

個性を活かし一人ひとりに合った指導
校章にはラテン語で “DUM SPIRO SPERO”という文字が入っています。これは「生きている限り私は希望を抱く」という意味です。LCAの子どもたちにも希望を持ち続けてほしいという願いが込められています。LCA国際小学校の「LCA」には、三つの思いが込められています。
「L」は「Language=言葉」、「C」は「Culture=文化」、「A」は「Activity=経験」です。
Language は英語という言葉を習得し、世界の人たちとコミュニケーションを取れるようにという思い、Culture は様々な文化を学び国際人として世界へ羽ばたいてほしいという思い、Activity はさまざまな経験を得て、豊かで幸せな人生を送ってほしいという思いが込められています。
LCA国際小学校:〒252-0132 相模原市緑区橋本台3-7-1
TEL:042-771-6131
学校HP: https://elementary.lca.ed.jp/
